トラックタイヤ1本だめになったら全部替えなきゃダメ？

トラックタイヤの定期的な点検は安心安全な運転には欠かせません。そんな点検時に気づいてしまった「1本のトラックタイヤの寿命」。ほかのタイヤはまだまだ使えそうなのに、全部を交換しなきゃいけないのでしょうか？

今回は、トラックタイヤの交換時期と、タイヤを替えるときは全部交換するべきかどうかについて、解説します。

トラックタイヤはどんな状況が替え時？

トラックの安全な運行のためには、3〜4年ごとのタイヤ交換が必要といわれています。しかし高速道路での走行が多い場合は熱の影響で早く劣化し、3年も持たずにタイヤ交換をしなければいけないことも。そのほかにタイヤを交換するタイミングはどういったものがあるのか、確認していきましょう。

チェック1：溝がほとんどない

トラックタイヤには「スリップサイン」というタイヤ溝の減り具合を知らせる印があります。

タイヤ溝の深さは法律で

通常走行の場合　　　　　「1.6ミリ以上」
高速道路を走行する場合　小型トラック「2.4ミリ以上」
大型トラック・バスで「3.2ミリ以上」

と数値が定められています。溝の深さが数値以下の場合、整備不良で道路交通法違反になるので注意しましょう。

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タイヤの溝には、タイヤと路面の間にある水を排出する役割があります。雨や水たまりのある路面状況で、溝が浅いまま走行すると、タイヤと路面の間に水のまくができてしまいます。これはハイドロプレーニング現象とよばれ、ハンドルを取られたりブレーキがきかなくなったりすることも。それだけでなくスリップやバーストにも関わるので、タイヤ溝がないまま走行するのは大変危険です。

チェック2：空気圧がすぐ下がる

点検をするたびに空気圧が下がっている場合は、タイヤが劣化しているかもしれません。経年劣化によるゴムの損傷で、エア漏れしやすくなることがよくあります。また、知らないうちに尖ったものを踏む、タイヤを擦ったことによってパンクしているというケースもあるので、よく確認しましょう。

チェック3：ひび割れや亀裂が入った

トラックタイヤのひび割れを見逃し放っておくと、ゴムが裂けバーストしてしまいます。ひび割れは経年劣化で起きるのはもちろんのこと、新しいタイヤでも空気圧不足や荷重の掛けすぎによっても起こりやすくなります。

高速道路を走行すると、スピードが上がるにつれタイヤ内部に熱が発生することで、空気圧が上がります。そのため、タイヤに負担が掛かりやすく、とくにひびや亀裂が入っているとバーストの大きな一因になるため交換は必須です。

トラックタイヤはできるなら全部を変える方が良い

トラックタイヤの交換は、異変のあるタイヤのみの交換（1本だけ）もできますが、可能であれば一斉に交換した方が良いでしょう。
普通車と違いトラックタイヤは重量と大きさがあるためひとりでの交換は難しく、時間も手間も掛かります。異変があるたび交換するのは効率が悪いといえます。

全てのタイヤの交換時期を揃える最大のメリットは、異変を未然に防げることです。

また、タイヤの摩耗具合は場所によって変わります。1本だけ新品に履き替えた場合、他のタイヤとの摩耗の程度に差が生まれてしまい、本来の性能を十分に発揮できない可能性がでてきます。その差をうめるためにも、全てのタイヤを一斉に交換することをオススメします。

最低限「左右」「同じ軸」で交換時期は揃えよう

全てのトラックタイヤを一斉に交換するのが一番安心ですが、他のタイヤになんの問題もない場合は「左右」、ダブルタイヤの場合は「同じ軸」のタイヤだけでも最低限交換しましょう。
トラックタイヤの前後の交換時期が異なっても、左右・同軸の摩耗バランスが同じであれば、走行に大きな影響はあまり出ないと言えるでしょう。

しかし左右・軸内の摩耗バランスが異なると、停車時の制動距離が変わるため、急ブレーキをかけたときにどのような状況になるのかが読みづらくなります。左右の摩耗バランスが合っていれば、そのような心配もありません。